2018年12月20日、海上自衛隊・厚木航空基地の第51航空隊に所属する城戸甫（ｷﾄﾞ･ﾊｼﾞﾒ）は、自らが操縦するP-１哨戒機のコックピットで操縦桿をを握っていた。従来機のP-3Cはアナログ計器が多かったが、この新鋭機はグラスコックピットが採用され、６台の大型液晶ディスプレイと２台の最新鋭ヘッドアップディスプレイですべての操作ができて、とてもスッキリしている。
「P-1のコックピットはP-3Cに較べて操縦が随分楽になったね。流石はゼロ戦の伝統を汲む国産技術だと感心するよ」
城戸は助手席の美波に話しかけた。
